Monochro world
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「なぁ、連れていきたいとこあんねんけど……ええ?」
車に乗り込んだ私らに優太は尋ねた。
「うみ、ミカちゃん人形ほしー!」
「この前買うてあげたから、今日は買わへんで?」
その言葉に宇美はギャーギャー泣き出した。
私は「はぁ…」とため息を吐いて、優太の方を見た。
「行きたいとこってどこ?」
「うーん…。」
困ったように宇美を見てから自分の髪をクシャッとした。
あ。
ホンマに困ってるわぁ…(笑)
髪をクシャッとかき上げるのが優太のクセ。
「宇美は別にほっといてかまへんよ?…用事があんねんならそっち優先で――」
「まぁ、予約してるから行かなあかんねんけどな!」
ははー…(笑)
と力なく笑った優太は車を出した。