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第二章・初めての“トモダチ”
そんな引きこもりな僕に転機が訪れたのは本当に突然だった―――




それはいつものように賑わった店内の後片付けをしようかと思っていた時だった。
「・・・？」
僕は違和感を感じた。
掃除をしようとしている店内から何やら声が聞こえる。
「・・・誰・・・？」
肉声だけでも分かる。
誰かが店内で言い争いをしている。
一人はマスターと言う事は確か。

マスターが言い争っている相手・・・

店のホストでもない・・・

一体、誰だろう・・・？

この時、自分でも驚くぐらい、僕は相手が誰なのかが興味が湧き、ドアの隙間から店内を覗き込んだ。




「・・・だから・・・別れて二年も経ってるのに突然、その申し出はなんだ！？」
「す、すまないとは思っている・・・だが、これはお前にしか頼めないんだ・・・分かってくれ・・・」
「そんな簡単に分かれって言うのか！？」
苛立つマスターを前にオロオロしているのは中年の男性だった。
スーツ姿がよく似合っていて何だか仕事がよく出来そうって印象だった。
歳はマスターと同じぐらいか・・・それよりも少し上か・・・？
だが、僕はその男性よりも違う方向に目が行った。
「（・・・誰・・・？あの子・・・）」
店内にはもう一人居た。
それは男性から少し離れた場所でジーっとマスター達の言い争いを見ている子供・・・

そこには自分と同じぐらいの歳の少年が居た。

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