Advance
「うわああああああああああああ!!!!!!///」

その直後、僕は生まれて初めて大声で叫んだ。
それもありったけの力で・・・
「ちょ・・・剛!?アンタ、そのガキに躾してんのか!?」
「す、すまない!?ほんっとうにすまない!?」
大声で叫ぶ僕を見て血相を変えて男性に怒鳴るマスター。
そして、何度も頭を下げる男性。
一瞬にして僕は混乱した。
だが、当の少年は残念そうに呟く。
「・・・何だ、ペッタンコだ・・・可愛い顔、してるからてっきり女かと思ったのに・・・」
「ちょ、ちょっと・・・女だ・・・と思・・・ったからって・・・///」
僕は動揺を隠しきれずに少年に反論しようとする。
だけど、初めてのセクハラ(?)にすでに思考回路が狂い始めている。
「とにかく!!!こんなセクハラ仕込みされたガキを預かるなんて御免だね!!!」
「ほ、本当にすまない!?よく言って聞かせるから・・・」
男性が泣きそうな声で頭を下げるせいか、僕は段々男性が哀れになってきた。

『冗談じゃない・・・秋人はそれでなくても他人との接触を恐れているのにこんな無礼なガキと一緒に住ませせるなんて・・・無茶もいいトコだ。』

マスターの“心の声”が聞こえた。

どうやら、僕の事を気遣ってくれている為に男性の頼みを断ろうとしてるようだ。

『嗚呼、何て事だ・・・今から現場に向かわなければならないのに・・・裂を・・・ましてや子供を連れていける場所ではないのに・・・もうSILVERしか頼る相手は・・・』

男性の“心の声”が聞こえた。

どうやら、何かの事情で少年を誰かに預けなくてはならないようだ。

そして、その最後の希望がマスターのようだ。

『・・・俺のせいで喧嘩になってる・・・どうしよ・・・』

そして、少年の声が聞こえた。

二人の口論が激しくなったのを自分のせいだと思っているようだ。

それに関しては自業自得だと僕は思った。


だけど―――


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