Advance
「学校とかは行かねえの?それともオバちゃん、行かしてくんねえの?」
「ち、違うよ・・・学校は僕の意思で行かないの。」
「え?何で?」
何でと聞かれても答えられる訳がない・・・

心が読めるからと言える訳がない・・・

「・・・その時はこの店の売上も危うかったし、ご飯が常にカップラーメンだった事もあって・・・とてもじゃないけど、学校に行きたいって言いづらかったから・・・だから、マスターを手伝う事にしたの。ほら、学校ってやっぱ多少のお金はかかるでしょ?」
「へぇー・・・そうなんだ。確かに常にカップラーメンだったら嫌だなぁ・・・」

嘘だった。

確かに店の売上が危うかった事もあった。

ご飯が常にカップラーメンだった事も事実だ。

だけど、僕一人を学校へ行かす程のお金はあるとマスターは言っていた。

全部、僕が逃げてるだけなのに・・・

他人との接触を・・・
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