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耳を塞ぎたくなるような悲鳴―――


だが、少年には耳を塞ぐことすら出来なかった。


『裂!?無事か!?母さんは!?』
『とぉ・・・ちゃん・・・』

そこへ男性が少年に駆け寄る。

どうやら、少年の父親らしい。

少年は何も言わずにただ、震えながら母親の居る場所を指差した。

ドアの向こうを・・・

『くそっ・・・』

父親は少年の無事を確認するとそのままドアの向こうへ駆け出した。

『貴様・・・何て事を・・・』
『ははは!?遅かったなぁ・・・赤星ぃ・・・』

言い争う声・・・

だが、その声も少しして止んだ―――


『あはははは・・・はーはっはっは!?』


その代わり、狂った笑い声だけが響いた。


不気味に・・・そして、恐ろしく・・・


ガチャッ・・・


ドアが開いた。

『よぉ・・・待たせたな、坊主・・・』

そこには侵入者が返り血を浴びて立っていた。

狂ったような目で少年を見る・・・

その血が誰の物なのかなんて想像もしたくない程、それは不気味だった。

『家族仲良くあの世に行けや!?』

そして、侵入者のナイフが少年に振りかざされた。
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