Advance
「・・・あ、そうなんだ。」
「・・・・・・・・・えっ?(汗)」
どうしていいのか分からない僕とは反対に裂君はあっさりとそう呟いた。
“強がり”や“怒り”など、一切、感じない・・・
ただ、僕の告げた事をすんなりと受け入れたのだ。
「そーいや、昨日、昔の夢、見たっけ・・・?何、あの夢、覗いちゃったんだ・・・むしろ、怖かっただろ?」
「え・・・あ、う、うん・・・(汗)」
どうでも良さ気な裂君に僕はもうどう対応したらいいのか分からない。
だけど、裂君は少し真剣な表情でこう言った。
「別にあんな夢、覗かれたってどうって事ないって。それに俺もお前に隠し事、してない訳でもなかったからな・・・まあ、右目の事とか。」
「!?」
自ら色素のない右目の話題に触れた裂君に僕は驚きを隠せなかった。
「その様子だと、見えてないことも何でこうなったかも分かってるみたいだな・・・そう、父ちゃんや母ちゃんを殺した奴に刺されてもう見えなくなっちゃったんだ、この目・・・」
「・・・」
「オバちゃんや秋人がこの目の事が気になってる事は分かってたけど、何か自分からこんな事を言うと辛気臭くなると思ってあえて言わないでいたんだ・・・けど、気にしないでくれ。もう見えない事に慣れたし、片目だけでも狙撃の腕は上がってきてるしな。」
そう言えば・・・
裂君の狙撃の腕はなかなかの物だった。
マスターが殺されかけた時のパチンコでの狙撃・・・
正確に相手の手の甲に当てた。
両目の生きている自分ですら、気づかれずに遠くから正確に当てる事など、出来はしない。
「本当なら確率は低いけど、手術で治療する事も出来るみたいだし、カラーコンタクトで隠す事は出来るけど・・・けど、俺はあえてそれをしない。」
「どうして?」
「あの時の殺人犯はまだ、捕まっていない・・・俺は・・・父ちゃんや母ちゃんの無念を晴らすまでは・・・あの時の痛みを忘れない・・・だから・・・」
その時の裂君からは強い“信念”のような物を感じた。
そして、感じた。
僕と裂君は大違いだ―――
裂君は辛い過去と向き合い、強くなろうとしている・・・
けど、僕はどうだろう・・・?
「・・・・・・・・・えっ?(汗)」
どうしていいのか分からない僕とは反対に裂君はあっさりとそう呟いた。
“強がり”や“怒り”など、一切、感じない・・・
ただ、僕の告げた事をすんなりと受け入れたのだ。
「そーいや、昨日、昔の夢、見たっけ・・・?何、あの夢、覗いちゃったんだ・・・むしろ、怖かっただろ?」
「え・・・あ、う、うん・・・(汗)」
どうでも良さ気な裂君に僕はもうどう対応したらいいのか分からない。
だけど、裂君は少し真剣な表情でこう言った。
「別にあんな夢、覗かれたってどうって事ないって。それに俺もお前に隠し事、してない訳でもなかったからな・・・まあ、右目の事とか。」
「!?」
自ら色素のない右目の話題に触れた裂君に僕は驚きを隠せなかった。
「その様子だと、見えてないことも何でこうなったかも分かってるみたいだな・・・そう、父ちゃんや母ちゃんを殺した奴に刺されてもう見えなくなっちゃったんだ、この目・・・」
「・・・」
「オバちゃんや秋人がこの目の事が気になってる事は分かってたけど、何か自分からこんな事を言うと辛気臭くなると思ってあえて言わないでいたんだ・・・けど、気にしないでくれ。もう見えない事に慣れたし、片目だけでも狙撃の腕は上がってきてるしな。」
そう言えば・・・
裂君の狙撃の腕はなかなかの物だった。
マスターが殺されかけた時のパチンコでの狙撃・・・
正確に相手の手の甲に当てた。
両目の生きている自分ですら、気づかれずに遠くから正確に当てる事など、出来はしない。
「本当なら確率は低いけど、手術で治療する事も出来るみたいだし、カラーコンタクトで隠す事は出来るけど・・・けど、俺はあえてそれをしない。」
「どうして?」
「あの時の殺人犯はまだ、捕まっていない・・・俺は・・・父ちゃんや母ちゃんの無念を晴らすまでは・・・あの時の痛みを忘れない・・・だから・・・」
その時の裂君からは強い“信念”のような物を感じた。
そして、感じた。
僕と裂君は大違いだ―――
裂君は辛い過去と向き合い、強くなろうとしている・・・
けど、僕はどうだろう・・・?