Advance



この「RAINBOW」のマスターの名はSILVER。
本名かどうかは分からないが、本人がそう名乗っているからそうなのだろう。
年齢は32歳らしいが、まだ若く見える。
髪は綺麗にパーマをかけ、名前の通り銀色に輝いている。
背も高く、スタイルも良く、いつもドレスを着こなしている。
マスターは皆の憧れだった。
再婚の話も持ちかけられるが、常に断っているようだ。



「・・・何だ、居たのか。」
スタッフルームに行くとマスターは煙草を吸いながらパソコンのキーを打つ。
「喜べ、秋人、今月は売上がいいから多少はイイもんが食えるぞ。先月はカップラーメン尽くしだったがな。」
「本当ですか!?・・・確かに、もうカップラーメンは見たくもありませんけど・・・」
「同感だ。たまにはちゃんとした肉が食いたいな。」
実の子供と言われても仕方ないかもしれない。

僕にとってはマスターは実の親より“親”だと実感しているのだから―――


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