Advance
いつもの待ち合わせの場所で待っていると少し眠そうな裂君がやってくる。
「遅いよ、裂君!」
「うっせー・・・秋人が早いんだよ・・・」
「僕だって夜は店の手伝いとかしてて眠いけど、我慢してるんだよ〜?」
「あ〜ハイハイ。ま、とりあえずは急ぐか。」
「うん!」

そう言って僕等は通っている学校まで走る。

「大丈夫か、秋人?」

走っている最中、裂君はそう問う。

目的地まではたくさんの人とすれ違う。

もちろん、僕はわずかに彼等の“心”を感じ取ってしまう。



でも、平気だった。

「うん、平気だよ!」

そう笑ってみせると裂君は安心して走るスピードを速めた。

そして、僕も連れられて走る。



「急げ!」
「うん!」


こうして、僕は裂君と共に前へ進みだす。


今まで後ろ向きでだった人生をひっくり返す為にも―――







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