Advance
普通の子供だったら、学校へ行き、学業を学ぶのが当たり前だ―――


悪魔でも“普通”だったら―――


だが、僕は普通ではない。


だから、普通ではない道を選んだ。







「・・・今日も終わりか・・・」
朝方になると賑わっていた店内も徐々に静寂を帯びていく。
閉店した店内を掃除するのが僕の主な仕事だ。
店が営業している間は酒や食べ物を店内に届けたりと簡単な裏方の仕事もしている。
「さて、そろそろ・・・・・・・・・!?」
店内に繋がるドアを開けようとした時、一瞬、動作が止まる。


『あ〜あ・・・かったるい・・・』

『チッ・・・あのババア、ホストを何だと思ってやがる・・・』

『やっと、明日は休める・・・』


脳裏に過ぎ去る声・・・

嗚呼、やっぱり“聞こえてしまう”―――


僕は店内に人が居る事を察知し、掃除は後回しにした。





そう、それが僕は“普通”ではない理由―――



僕は人の心が読めてしまう―――

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