キミイロ。【LOVEドロップス参加作品】
家も早めに出てきたし、それだけ遅らせてもらえば、なんとか間に合いそうだ。
胸をホッと撫で下ろす。
でも、その一方で寒さはどんどん強くなっていて、オレはマフラーをしていない首元をなんとかコートで隠そうと試みる。
ぶるぶると震える身体。
う〜さみぃ……。
だから雪はキライなんだよ。
冷たい風が、身体の熱を奪っていく。
頼むから、早く進んでくれ。
大事な受験の日だってのに、風邪なんか引いたら台無しだ。
そんなふうに、思っていた時だった。
ちょうど到着した反対側の電車。
そこから降りてきた一人の女とすれ違った瞬間……
「ねぇ……っ!!そこのキミ!!」