Chocolate concerto-三村カルテット物語-
(そうか、あれが碧海の松浦への感謝の気持ちだったんだ…。)

僕はなんだか可笑しくなってニヤニヤと笑ってしまった。


(アイツってホント素直じゃないよな。)


「ちょっと、碧海~。もう!これはどうするつもりよ。しょうがないなぁ…とりあえずお言葉通り有難く貰っとく?」
 
松浦は、机の上に散らばった受け取り手のいないチョコレートを片づけ始めた。
僕らも慌ててそれを手伝う。


「あの…。ありがとう。僕ロイズのチョコ大好きなんだ。」

僕はチョコをダンボールに入れながら、松浦にお礼を言った。


「良かった。実は…タイチのチョコがなかなか決まらなくて…一番迷っちゃった。」

彼女はそう言うとにっこり笑った。


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