14才の地図
2人で、じゃれあいながら、校門をくぐる。

と。

バウン!

オートバイだ。

キッ!

あたしたちの目の前に止まった。

わあ。ノーヘルだぁ。

ホンダのCBR400F。

ふわふわの髪を、額にちょっと下げてる。

眼が、鋭い。 

「よおっ」

低い声が、あたしたちに飛んだ。

怖い…。

だけど、不思議、わくわくするように胸が高鳴る。

「おめーら、ここのガッコのセート?」

あたしとえーこは、互いに顔を見合わせ、おそるおそる、うなずいた。

「なぁ、笹原真紀って、まだ居たぁ?」

え? 真紀ちゃん?

あたしは、反射的に答えた。

「真紀ちゃんなら、職員室呼ばれてたみたい」

出席日数がどーの、三者面談がこーの、とか担任に言われてたの、見ちゃったんだ。
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