14才の地図
「えーこ…」

ぽそり、とつぶやいた。

「まーいちゃん」

振り向くと、弥勒寺。

「海、行こうぜ。海」

はしゃいだ笑顔で、言った。

こいつ、気ぃつかってんの。

ほんとに、いーヤツなのに…。

「くやしーよね。てんで、判ってねーの」

「ま、世間はそーゆーもんだって。おまえも、後戻りすんなら、今のうちだぜ」

「ばーか」

弥勒寺は、ひょいとあたしの腕を取った。

あ、助かる。歩きにくかったんだ。

そのまま、車に向かって進む。

と、何を思ったか弥勒寺が、とーとつに切り出した。

「俺、おまえに、惚れてる」

びくっとして、弥勒寺の顔をあおいだ。

「会ってから、まだ何日も経ってねーけど、そんなの、かんけーねーよな」

「弥勒寺…」
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