14才の地図
「すぐつきあってくれ、なんて言わねーよ。でも、考えてみて」

「あたしさ、そーゆーの、よく判んないの。つきあうとか、なんとか…。あたし、まだ、ガキだからさぁ…」

「じゃぁ、なんで、こんなにされても、口割んなかったの?」

弥勒寺、眼がマジだよ。

「成り行きってゆーか…」

「約束したのが、総長じゃなくて、俺だったら、そうはいかなかったんじゃねー?」

むかっ。

むかつくぞ、その言い方は。

「ざけんじゃねーよっ!」

弥勒寺の手を振り払った。

「まい…」

「相手なんて、かんけーねんだよっ!」

ぴしゃりと言い放つ。

だって、そうだ。

例え約束した相手が誰だって、その人の考えに賛同できれば、気持ちが判れば、簡単に裏切るなんて、出来ないよ。

「…判ってる筈だろぉ? 弥勒寺…」

「あぁ…」

弥勒寺は、うなだれた。
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