14才の地図
「ふーん。ドジこいてやんの…」

そう言って、カカカ、と口を開けて笑った。

怖い眼をしてるくせに、笑うと妙に子供っぽい。

ちょっと、ステキ…。

「んで、彼女たち、名前はぁ?」

えー?

なぁに? 今度は、ナンパ?

「まいっ! 行こっ!!」

びっくりして眼を見開いてるあたしを、えーこが、こづいた。

「名前、教えてよ」

男は、そう軽薄に言って、ニッと笑った。

この人、この人の眼…。

あたしは、その不思議な輝きを放つ瞳の色に、魅了されてしまった。

だって、すごく、生き生きしてる。

眼の表情が、くるくる変わる。

だけど、ちょっとアブナイ…。

こーゆーのを、アブナイ眼ってゆーんだぁ。

「まいっ! 早くっ!」

えーこが、乱暴にあたしの手を引っ張った。

少し、後ろ髪を引かれる気分だったけど、あたしはえーこに従った。
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