14才の地図
「真紀ちゃんから真紀になって、緒方くんからガタになったのに、朽木サンは朽木サンなワケ?」

うーん。そう言われてみれば…。

「きゃっはは」

深く考えるのが、ばかばかしいような気がしてきた。

呼びかたなんか、どーでもいーじゃん。

「判ったよ。今度から、朽木って呼ぶ」

「おお」

「じゃあ、おやすみ」

ひらひらと、左手を振った。

「明日、昼に迎えに来るからな」

あ、そうだ。抜糸ね。

「うん」

「それからぁー…」

なんか、へんだな?

ちょっと、朽木サン…っと。

朽木の様子が、いつもと違う。

「どしたの?」

顔をのぞきこんだ。

「おまえ、俺の女になんねー?」
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