14才の地図
「どうして、そんなこと…?」

「私、あなたくらいの時に、親友、亡くしてるの。そのコは、つまんないケンカに命張って、死んだわ。命を賭けるなら、絶対、何があっても、生きのびなきゃ…。いつ死んでもいい、なんていうのは、逃げよ」

「あたし、そんなふうに、見えますか?」

さつきサンは、かぶりを振った。

「ううん。一平が、あなたを巻き込むんじゃないかと思って」

「朽木が?」

「あいつね、怖いって言ってた。おおよそ、らしくないセリフでしょう? 何が怖いのって訊いたら、あなたが怖いって」

「え? あたし?」

そんなばかなっ?

なぁんで、あたしが怖いのっ!?

「あいつ、あれで実はてんでガキなのよ。マジで人にホレたこと、ないんだわ」

「だから、怖いって?」

「そう」

あたしは、笑った。

「そぉんなぁ…。あたしなんか、違いますよぉ」

「うん。それでもいい。でも、もう駄目って思ったギリギリの一瞬、諦めるなって言ったコト、思い出して」

ああ……。

そうかぁ……。

心配してくれてるんだぁ……。

でも、こーゆーのって、押しつけがましくなくて、いい。

心の底が、じーんってするみたい。
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