14才の地図
それからあたしたちは、海岸に出た。
海岸を少し散歩して、レストハウスで昼食を取る。
朽木は、すごく明るくて、健全な青少年ってカンジだった。
こんなふうにフツーに喋ったり、遊んだりしてたら、血まみれになって救急車で運ばれたことなんて、忘れてしまいそう。
でも、おでこに貼ったバンソーコーが、あれは夢じゃないって、言っていた。
「ねぇ。訊いてもいいかな?」
「なに?」
あたしは、パスタを口に運びながら、朽木を上目づかいで見た。
「朽木、なんでゾクに入ったの?」
「は?」
朽木は、一瞬、ほうけた顔をした。
こんなこと訊く奴なんか、いないのかなぁ?
「なんで?」
「なんでって、…なんとなく」
「ふうん」
「言いたくないなら、いーけど」
朽木は、ミネストローネを、ずるずるとすすった。
「べつに、家庭が不幸とか、そーゆーんじゃねーよ。ダチが、トルエンもぐりで流してて、俺、人がいーから、そいつの身代わりでボッコボコ殴られてぇ…。そいで、くやしーから、反撃したら、また殴られてぇ…」
「なんだ、殴られてばっかじゃん」
「そーだな…」
海岸を少し散歩して、レストハウスで昼食を取る。
朽木は、すごく明るくて、健全な青少年ってカンジだった。
こんなふうにフツーに喋ったり、遊んだりしてたら、血まみれになって救急車で運ばれたことなんて、忘れてしまいそう。
でも、おでこに貼ったバンソーコーが、あれは夢じゃないって、言っていた。
「ねぇ。訊いてもいいかな?」
「なに?」
あたしは、パスタを口に運びながら、朽木を上目づかいで見た。
「朽木、なんでゾクに入ったの?」
「は?」
朽木は、一瞬、ほうけた顔をした。
こんなこと訊く奴なんか、いないのかなぁ?
「なんで?」
「なんでって、…なんとなく」
「ふうん」
「言いたくないなら、いーけど」
朽木は、ミネストローネを、ずるずるとすすった。
「べつに、家庭が不幸とか、そーゆーんじゃねーよ。ダチが、トルエンもぐりで流してて、俺、人がいーから、そいつの身代わりでボッコボコ殴られてぇ…。そいで、くやしーから、反撃したら、また殴られてぇ…」
「なんだ、殴られてばっかじゃん」
「そーだな…」