14才の地図
「その静羅サン、今はどーしてるの?」

「さぁ。あの人は、18でさっさと引退して、どっか、行っちまった」

「ふうん…」

「でっかい目標、やりとげたから、次の目標、捜しに行ったんでねーの? そーゆー人だよ」

次の目標かぁ…。

18で、もう、ひとつの目標を達成しちゃうなんて、すごい。

「じゃあ、朽木の目標は?」

「ああ、俺、そーゆーのって苦手。なぁんか、やたらスローガン掲げるのって、政治家みてーじゃん」

「そぉ?」

「おお」

じゃあ…。将来は?

将来はどうするつもりなんだろう…?

「ゾク、上がったら、どーするの?」

「まだ先の話だよ」

「でも、ずーっとこのまんまって訳にもいかないでしょ?」

朽木の表情が、少し硬くなった。

「見合いじゃあるめーし、んなこと、訊いてどーなるんだよ?」

「ごめん。怒んないで」

「怒ってねーよ」
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