14才の地図
「どこで、どーゆーふーにそれを実現すんのかは、ぜんぜんわかんねーけど、な」

「うん」

400人からの、湘狂連をまとめている朽木だから、案外、本当に立派な組織を作っちゃうんじゃないかな、なんて、思った。

それが、ヤクザじゃないことを祈るけど。

「あー、おめー、今、ヤクザとか、思っただろう?」

げ。バレてる。

「ちがうって…」

「まぁ、俺もそーならねーよーに、とは思ってるんだけどなぁ…」

なぁんだぁ…。

やっぱり。

あたしは、こらえきれずに、笑いだした。

みんな、まだ、若すぎて、確かな物なんて何も持っていない。

学校の成績とか、先生の評価とか、とりあえずそんなものにしがみつくことでしか、自分ってものを表現できないんだ。

そんなのは、あたしは、嫌だ。

ただ、なんとなく、学校へ行って、なんとなく就職して、なんとなく結婚して…。

それは、もしかしたら、すごく大切なことなのかもしれないけれど、でも、あたしは、せめて、自分の意志で動いていきたい。

なんとなく、じゃなくて、自分の意志で。

そうするために、今をがんばるってコトなんだな、って思うと、少し気が晴れた。
< 167 / 225 >

この作品をシェア

pagetop