14才の地図
ばん!

どったん。どったん。

自分の部屋へ歩いて行ったみたい。

はあ。

ヨッパライは、キライ。

夜中にわけの判んないことをわめいて、近所から怒られたり、玄関までたどりついたけど、それ以上動けなくて、あたしが担ぐ羽目に陥ったり。

もう、さんざん。

だけど、いちばんキライなパパは、オンナの日のパパ───。

パパは、もぉ、ずっと前から、オンナの人とつきあってるみたい。

香水の移り香かな? 甘くて、いい匂いがする。

香水が移るようなこと、してるんだよね。

パパが…。

そりゃあ、パパはまだ、38才だけど。

「あー。もぉっ!」

眠れなくなって、がばっと半身を起こした。

枕もとのデジタル時計を見る。

2:22…。

真夜中だ。

不意に、国道を疾駆して行くたくさんのバイクの音が、耳に入った。

暴走族?

こんな夜中に、何が面白いんだろう…?

夜は、怖いのに。

独りぽっちの夜は、寂しくて、長いのに。

いつまで、こんな夜が続くんだろう。

そう思うと、よけいに寂しくなった。
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