14才の地図
電話が切れたあと、そこにいた女の子たちだけで、缶ビールを1本だけ、あけた。

祝杯。

酔っ払っちゃ、男の子たちに申し訳ないから、乾杯の1杯だけで、やめとく。

2時半ころ、みんなが、帰ってきた。

みんなで海岸に出て、わぁっ、って盛り上がって、バカやってはしゃいだ。

『紫天使』の旗が、海風にばたばた翻る。

明け方まで、ずっとハイ・テンションで騒ぎまわって、散り散りに帰って行った。

そして、あたしは…。

みんなが帰ったあと、朽木のCBRにタンデムして、彼のアパートに行った。

2人で缶ビールをあけて、乾杯した。

朽木が無事で帰ってきたことが、嬉しくて、サイコーに幸せだった。

アルコールのほろ酔い加減も、気持ち良かった。

「まい」

朽木が、ぐっとあたしを抱き寄せて、キスしてきた。

あたしのファーストキス…。

ちょっと、ビールの味。

朽木の手が、あたしの胸に伸びる。

あたしは、躊躇して身をよじった。
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