14才の地図
「ひょえー。おまえんとこの親父、なぁに考えてんのぉー?」

「どっかでひっかけてきた女にムチューなんだってさぁっ」

「娘よりも、てめーの女ぁ?」

「だぁーから、女房に逃げられんだよっ!」

ガシャン! ちゃぷコン!

飲みかけのコーラの缶を、アスファルトに叩きつけた。

コーラの缶は、ごろごろ転がって、中身をまき散らす。

弥勒寺は、じっとあたしを見て、心配そうに言った。

「おめー、総長とうまくいってねーの?」

とまどったような、弥勒寺の表情。

「よけーなコト、ゆーんじゃねーよっ!」

びゅん!

右の平手を放った。

ぱし。

その右手首を、たやすく受けとめられる。

「なに、イラついてんだよ。俺、最近のおめー、なんか、見てるの辛えよ」

「じゃあ、見なきゃいーじゃんよー。ばぁか」

あたしは、弥勒寺を睨めつける。

「総長の所に行ってからだよ。おめー、ヘンになったの」

「おーきなおせわ」
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