14才の地図
「まい…」

あたしは、おっきくため息をついた。

「どーでもいーけどぉっ! 手ぇ離しなっ!」

「離さない」

いっしゅん、弥勒寺の眼が、マジになった。

「ばかぁっ!」

すごい力で抱き寄せられる。

ちょっとだけ、唇がふれた。

「なめんじゃねーよぉっ!」

思いっきり、膝蹴りをお見舞いした。

ぎゃっ! と叫んで、弥勒寺は転がる。

「ばっかやろぉっ! ざけんじゃねーっ!!」

絶叫して、その場から逃げた。

ちくしょー。なんなんだよ、いったいっ!

レンアイなんて、わかんねーよ。

アイシアウなんて、どこの世界の話だよっ!

朽木と暮らしてても、話しても、抱かれても、なんか、よく、判んねーじゃんよぉっ!

実感がなさすぎて、心がカラブリしてるよーな、気がするよ。

じれちゃうよ。
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