14才の地図
スクーターで、とばしたら、なぁんか、空飛びそうじゃん。

真紀、マジだったなぁ。

あたしなんか、ビビりまくり。

これって、ひょっとして、さつきサンが言ってた、男のために命張るってヤツ?

ううん。

ために、ってトコがちがうなぁ。

これは、朽木のためなんかじゃないもん。

そして、それはおそらく、真紀もおんなじ。

自分のためだよね。

自分に敗けないために、やるんだ…。

引けない状況って、マジにあるんだなぁ。

ホント、ここで引いたら、あたし、ただの世渡り上手なイーコちゃん。

──つっぱれ。生きるのが苦しくてたまらない時ほど、鮮やかに笑ってやるんだ…。

いつか、真紀がそう言った。

いつのまにか、あたしも、そうしてる。

だから、真紀…。

あたし、あんたに敬意を表して、この勝負、受けるよ。
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