14才の地図
だれかぁっ!!

く…つぎ…!

涙が出てきた。

くつぎっ!

「たすけてぇ! 朽木ぃっ!」

と。

ものすごい、直管の音。

CBR400Fだっ!

「ばっかやろぉっ! てめーら、何やってんだっ! 死にてーのかっ!」

あー。

朽木だぁっ!

朽木が…来たぁ…。

つっぱって、つっぱって、ビンビンにはりつめてた気持ちが、ふっと緩んだ。

肩の力が、すぅーっと抜ける。

「まいっ! 止まれっ!!」

もぉ。いい…。

終わりにしよう…。

たとえ、あたしの負けでも…。

ゆっくり、ブレーキング。

固まってしまった指が、ぎこちなく動いて、両方のブレーキレバーをつかんだ。
< 207 / 225 >

この作品をシェア

pagetop