14才の地図
その、しゅんかん。

眼の前に大きな黒い壁が迫って、

あたしが息を呑んだ、せつな。

視界から、真紀が、消えた。



──真紀ちゃあーん!

真紀ちゃんて、すっごぉい。

キレー。かっこいーなぁー。

真紀ちゃんみたくなりたいなぁー。

「あたしのマブだよ。まいってーの」

真紀ちゃん。

「あっははぁっ。オトモダチじゃ、ヤれねーもんなぁ。弥勒寺、かわいそーっ!」

真紀。

「御立派な生き方なんて出来やしないけどぉ、せめて、自分にだけは、敗けたくないじゃん」

真紀ぃっ!



「真紀ぃ───!」
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