14才の地図
真紀は、横須賀の病院に運ばれた。

あたしは、廊下で独りで、ガタガタ震えてた。

朽木は、ケーサツで事情聴取。

あたしの身代わりに、連れてかれちゃった。

どーして?

どーしてこんなことになっちゃったの?

あのとき。

あたしがブレーキかけるの、一瞬おそかったら、真紀と一緒に、トラックに潰されてた。

真紀だって、もう、疲れてた筈なのに…。

なんで?

どーして止まらなかったの?

ドアが、バンって開いて、看護婦さんがあわてて飛び出して来た。

「看護婦さんっ!」

あたしは、必死で呼び止める。

「真紀はっ!? 真紀はたすかるのっ!?」

看護婦さんは、あたしを見る。

「ご家族に連絡は?」

あたしは、ぴくっ、って硬直して、ゆっくりとかぶりを振る。

「真紀、両親がいないの」
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