14才の地図
「…まいって、こわぁーい。あんなにおとなしかったのにねぇー…」

「しんじらんなぁーい」

教室の隅のヒソヒソ話。

えーこと、美和だ。

あいつら、進歩しねーの。

ちょっと前は、あーやって真紀のコト、噂してたんだ。

真紀も、こんなふうに、思ってたんだろーなぁ。

ばっかばかしー。

ワカンネーヤツは、いらねーんだよって。

え?

あれ? 誰か…。

誰か、あたしを視てる。

だれ?

あぁ。茅野サン。

いつも、大人しくて、目だたないコ。

だめだよ。茅野サン。

いつか、あたしがそんな眼で真紀を視てた。

憧れて。憧れて。憧れて。

あんたもなの?

あんたも、あたしみたいになりたいの?
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