14才の地図
佐伯は、ちょっと拍子抜けしたみたい。

「お、そうか。いや。あのな。こうなっては、もう、君もここには居ずらいだろうということになってな」

「退学ですか?」

「い、いや。転校という形をとってだな…」

あたしは、うなずいた。

「わかりました」

「いや、決して、厄介払いをしようとか、そーゆー訳じゃなくてな。先生は、君の将来を思って…」

くすっ。

あたしは、失笑した。

先公も、湘狂連が、怖いのかな? って、思えたからだ。

「わかってます。あたし、実は、もう、決めてるんです」

「何を?」

「将来のこと」

「あん?」

そう。決めたんだ。

真紀が死んだとき…。

「あたし、看護婦になります」

「あ?」

佐伯は、キツネにつままれたみたいな表情。
< 218 / 225 >

この作品をシェア

pagetop