14才の地図
おっかしーの。

「だから、これから、がんばります」

にこっ、って笑った。

看護婦になろうって決めたときから、肩がすごく軽くなったみたいなんだ。

だから、先公とも、フツーに喋れる。

「じゃ。先生。あたし、今日はこれで帰ります」

「あ、ああ」

あたしは、ソファから立ち上がった。

「逆瀬川」

「はい?」

「先生がこんなことを訊くのは、不謹慎かもしれんが…」

「なんですか?」

「笹原とは、決闘をしたのか?」

え?

あたしは、いっしゅん、眼が点になった。

ぷ。って吹き出しそうになるのをこらえて、答える。

「あたしの一生で、多分、真紀以上の友達、できないと思います」

「そ、そうか」

「行っていいですか?」

「ああ」
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