14才の地図
「おめー、そんなこと言ってぇ、さつきが俺のポケベル鳴らしたから、おめーのトコ、行けたんだぜぇ」

ふふっ。

知ってるよ。

さっき、そこで弥勒寺に会った。あいつ、顔腫らしてて、理由、あたしに教えてくれたもん。朽木に問いつめられて、ボコボコ殴られたって、ね。

真紀。

真紀…。

見てる?

これから、あたしたちが、でっかい送り火、燃やすからね。

だから、寂しくないよね…。

11時25分。

真紀が息をひきとった時間。

あたしたちは、大町のガード下を、三浦半島に向かってスタートした。

あたしは、朽木のケツに、タンデム。

薔薇を、しっかり、胸に抱いてる。

一色の交差点で、真紀に「ばい」って、言うために。

──5秒以内に駄目な奴は、もう、駄目に決まってんだよ。

いつか、朽木が言った。
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