14才の地図
「名前…」

「昨日、呼ばれてたじゃん。超ビビってたコに」

「あー。えーこ…」

「そぉそぉ」

朽木サンは、相変わらずのニコニコ顔だ。

こんなに屈託なく笑うのに、なんで、アブナイなんて思っちゃったんだろう?

ちょっと、疑問になった。

「こぉらー。朽木ぃー。さぼるなぁー!」

禿頭のおっちゃんが、叫んだ。

「おぁーい!」

大声で返事して、朽木サンは、あたしにパチンとウインクする。

「またな」

洗車中の車の方へ、走ってった。

キザなウインク。

だけど、ステキ。

ウチの学校なんかには、いないタイプだぁ。

「まい。朽木、あんたのこと気に入ったみたいじゃん」

真紀ちゃんが、ケラケラ笑った。

「あの人、真紀ちゃんの彼?」

真紀ちゃんは、首をかしげた。
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