14才の地図
──ふりおだよぉー。

えーこの声が、脳裏によみがえった。

──笹原サン、ボーソーゾクなんだってぇ…。

誰かが、言ってた。

でも。

あたしは、そんな噂をする誰よりも、真紀ちゃんに興味があった。

真紀ちゃんを、見ていたい。

真紀ちゃんと、いっしょにいたい。

同じ風を感じてみたい。

「うん。いーよ」

知らず、そう答えていた。

「やったぁ。そうこなくっちゃ」

真紀ちゃんは、嬉しそうに、はしゃいだ。

あたしは、こんなに明るい真紀ちゃんを見るのは、初めてのような気がした。

あたしに心を許してくれるかもしれないって思うと、天にも昇る気持ちだった。

もっともっと、話したいって、思った。
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