14才の地図
国道134号線を流れる車のライトが、ハレーションをおこしている。

改造した変な格好の車なんかも走っていて、なんか、別の世界みたい。

あたしは、ぼんやりとその様子をながめていた。

今夜、真紀ちゃんが、迎えにきてくれるって言ってたから、ここで待ってなきゃって、それだけ、考えていた。

「はぁい! 彼女ぉ。誰か待ってんの?」

ぴかぴかのクラウンが、あたしの前に止まった。

やだな。どーしよー。

あたし、こーゆーのって、慣れてない。

運転してるのは、ちょっと貫禄のある怖そうな人で、助手席からあたしに声をかけたのは、高校生ふうの軽そうな兄ちゃん。

「乗らない? いっしょにドライブしよーよ」

無視しよう。

それがいい。

「ねぇ、彼女」

あたしは、スタスタと車の進行方向と反対に歩き始めた。

「ちっ」

軽そうな兄ちゃんは、舌打ちして、首を窓から引っ込める。

ホッとしたのも束の間、後ろの方で、

ギャギャン!

タイヤのこすれる、ものすごい音がした。
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