14才の地図
目的がなくて、何もかもがつかみどころがなさすぎて、あたしはときどき、死にたいくらい、情けなくなる。

このままでいいのかな? って思う。

ずうっと、こんなふうに生きて行くのかな? って思う。

そしたら、たまらなく切なくなって、ちょっと笑ってみたりする。

へらへら笑うしか、できないから。

「逆瀬川、次、読んで訳して」

うわ。聞いてなかった。

あたしは、あわてて立ち上がり、教科書とノートをばさばさとめくった。

冷や汗が流れる。

「どうした? 判らんのか?」

「いえ、あの、その…」

「もういい。そのまま、立っとれ」

英語の篠村は、にべもなくそう言い放ち、さっさと次の人を指した。

「じゃあ、松岡詠子、今の所」

「はい」

あたしの斜め後ろの席から、えーこは、すっくと立ち上がり、スラスラと読み始めた。

「Once upon a time, an old woodman and his wife lived in somewhere.  An old woodman went to mountain for ・・・」
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