14才の地図
「ううん。へーき」

そう答えて、緒方くんの顔をまっすぐ見た。

ニコッと笑う。

緒方くんも、左手の親指で鼻の頭をちょっとこすって、破顔した。

車内のデジタルクロックがゼロになる。

0:00…。

緒方くんが、運転席に乗り込んだ。

車やバイクが、いっせいにエンジンをかけ、アクセルをアオる。

集合管の爆音が響きわたる。

窓は、全開。カーステも、フルボリューム。

ミュージックホーンの妙なメロディまで、聞こえる。

少しすると、さっきの、白いハチマキをしめてた単車の少年たちが、先陣を切って飛び出した。

群れが、動く。

海岸線を、西へ。西へ。

左側に、海。

全開の窓から、風が踊り込む。

たくさんのテイル・ランプ。

キレー。

すっごい、キレーだぁっ。
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