14才の地図
「なんたって、俺、原チャリ初めて転がしたの、12の時だもん」
「なぁんだぁー」
みんな、最初は無免なんだぁ…。
ふりおだなぁ…。
「朽木なんてもっとひどいぜ。あいつ、9つで原チャリ盗んで、走り出したまでは良かったが、チビだったから、止まった時に地面に足がつかなかった。そのままゴロゴロ転がって、あわやダンプの下敷き…」
「あっぶなぁい」
「そ。アブナイ奴だよ、あいつは。だいたい、死ぬコト、怖がってねーもん」
死ぬコト…。
「緒方くんは?」
「俺? 俺は、どうかなぁ? お袋、1人残して死ねないよなぁ…」
ああ…。
「オトーサン、いないの?」
「嫁サン放りだして、蒸発。イイ根性してるよ」
「そっか。あたしのママも、若い男と逃げたんだって」
「へー。カワイソウなキョーグーじゃん」
ちょっと、茶化したように緒方くんは言った。
「緒方くんのが、カワイソウだよ」
あたしも、あっけらかんと言う。
深刻になったら、辛すぎるから。
「はっは。かんけーねーよなぁ。大人の事情なんて」
「うん。いえてる」
2人で、笑った。
「なぁんだぁー」
みんな、最初は無免なんだぁ…。
ふりおだなぁ…。
「朽木なんてもっとひどいぜ。あいつ、9つで原チャリ盗んで、走り出したまでは良かったが、チビだったから、止まった時に地面に足がつかなかった。そのままゴロゴロ転がって、あわやダンプの下敷き…」
「あっぶなぁい」
「そ。アブナイ奴だよ、あいつは。だいたい、死ぬコト、怖がってねーもん」
死ぬコト…。
「緒方くんは?」
「俺? 俺は、どうかなぁ? お袋、1人残して死ねないよなぁ…」
ああ…。
「オトーサン、いないの?」
「嫁サン放りだして、蒸発。イイ根性してるよ」
「そっか。あたしのママも、若い男と逃げたんだって」
「へー。カワイソウなキョーグーじゃん」
ちょっと、茶化したように緒方くんは言った。
「緒方くんのが、カワイソウだよ」
あたしも、あっけらかんと言う。
深刻になったら、辛すぎるから。
「はっは。かんけーねーよなぁ。大人の事情なんて」
「うん。いえてる」
2人で、笑った。