14才の地図
徹夜して、眠いのに。

パパに殴られたのに。

家を飛び出してきたのに。

この朝日は、そんなこと、全て忘れさせてくれるくらい、カンドーテキだった。

知らないうちに、また、涙が頬をつたっていた。

昨日から、いろんなことがあった。

あたしは少し、変わったかもしれない。

それでも、朝は、来るんだなぁ。

なんて、なんて偉大な、くりかえし…。

自分の存在が、ひどくちっぽけに思える。

独りじゃ、なんにもできない。

だけど、仲間がいたら、できるかなぁ?

しばらく、ぼーっと海を見ていた。

そして、すっかり太陽が昇りきったころ、ぶらっと江ノ島の方へ歩きだした。

「かーのじょっ! 1人でどこいくのっ!?」

サーファーの車が横をのろのろと並走する。

また、ナンパだぁ。

この辺では、こーゆーのって、日常茶飯事だったんだなぁ。

「ねぇっ。かのじょおー。乗んない?」

お腹、へったなぁ…。
< 63 / 225 >

この作品をシェア

pagetop