14才の地図
くるっ。

もと来た方向へ、ユーターン。

「おいっ! そりゃーねーだろぉっ!」

昨日の浜神のクラウンは、スピンターンで逆行してきたけど、サーファーのお兄ちゃんにはそんな技術はなかったらしい。

ばんっ! 

て、荒々しくドアを開けて、わざわざ下りて来た。

やだなぁ。

フツー、ナンパでここまでするぅ?

ダサボーなんだからぁ。

あたしは、気配を感じて、だらだらと振り返った。

「時間訊いて、ばいばいってのは、なんなんだよっ!」

鮮やかな蛍光オレンジと黄緑色のアロハが、あたしの眼前に、ぬっと迫った。

「あたし、お腹すいてるし、とっても眠いの」

アロハのお兄ちゃんは、とたんにニヤニヤ笑い。

「朝飯、おごっちゃるよ。そして、そのあとは、ちゃんとベッドに直行だ」

「ぷっ」

あたしは、失笑した。

「何がおかしんだよ!?」

だって、朝っぱらから、馬鹿まるだしのこと、ゆーんだもん…。
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