14才の地図
「あふぅーっ」

あたしも、小さいあくびをひとつ。

ピンク色の、ノースリーブのパーカーに着替えた。

「なぁーしたの? 真紀ぃー」

カンカンカンカン。

鉄の階段を、降りていく。

この階段、下からスカートの中が見えそうだから、『見上げるロマンの階段』とか、ダセー名前がついてる。

「乗んなよっ」

おわぁ。また、スクーターの2人乗りぃ?

「待ってよぉ。あたし、あれ、乗ってく」

エリの黒いSEPIA。

フロントに、純白の天使が翼広げた図案のステッカーが貼ってある。

『紫天使』のステッカーだ。

「あー? 乗れんのぉ? あれ、パワーあるよぉ」

「うん。エリが、新しーの買うからぁ、あれ、あたしにくれるって」

「あいつ、プータローのくせに、羽振りいーじゃん」

「だぁって、4号やってるもん」

真紀は、吹きだした。

「4号? なぁにそれぇ…」

あたしも、笑った。
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