素直になれない
「好き、なのかなぁ・・・」


でも、そんなこと、ない・・もん。


「わかんな――――っ」


ベタッ


「いったー・・・」
「あ、わり・・・」


誰かの足につまずいて、

尻もちついちゃった。

いたーい・・・。


「大丈夫か?」
「大丈夫で・・・・戸川悠士!!」
「ちんちくりん女?」


コイツ、一度ならず二度までも!!


「ほら、立てよ」
「いい、自分でおきれるから」


差し出してくれた手はムシして

あたしは自分で起き上がる。

こんなとき、「ありがとう」くらい言って、

素直に手をにぎれれば、

かわいいんだろうなぁ・・・。


「こんなとこで何してるのよ」
「別に、なんもしてねーけど」


あぁ~ほら、かわいくない。


「用がないときは桜川に来ちゃダメ―――」
「あーっ!!悠士がかわいー娘つれてる!」
「どれどれ君、名前なんていうの?」
「えと、早川 心で、す」


なっなに~?
アイツの友だちらしき人に囲まれた!!




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