素直になれない
「かわいー名前だね!じゃぁオレ、ここちんって呼ぼう♪」
「こっここちん?!」
「いいな、そうしよう!」


なっ何がなんだかわからなくなってきた。


「悠士の新しい彼女~?」
「ちげーよ、こんなのと付き合うとか悪趣味だろ」
「はぁ?!こっちだってアンタなんかお断りっ!」


あたしは、その場から逃げるように
走った。


「あっ待ってよ、ここちーん!!」


あー、腹立つ!!

アイツの友達の声が聞こえたけど

知らないし!!

悪趣味とか言わなくてもいいじゃん。

わかってるっつーの!!

てか、ここちんってどんだけセンス悪いの!?

もぉ、意味わかんない。


「心!!いったいどうしたの?!」
「心ちゃん、泣かないで~」


いつのまにか涙が出てた。

あたしってば、どうしたんだろう。

別に悲しくなかったのに、

どっちかっていうと、怒ってたのに。

あたしは、みゆきとカレンに

心配されながら、

「転んだら痛くて」って言った。

なんで泣いちゃったのか

あたしにもよくわかんなかったから。




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