素直になれない
「で、なんで俺がこいつとなんだよ」
「しかたないでしょ!くじ引きで決めたんだから」


当然、細工したくじ引きだけど。

みゆきは宮川君と、カレンは水川君とペアになれた。


「戸川君、いいじゃん♪」
「そろそろ始めましょう」


あたしたちが一番最初。

周りはすごい暗くて、

懐中電灯1本の明かりじゃ、心細い。


「ちんたら歩くと置いてくからな」


すっごい意地悪~ッ



「どうぞ、勝手にすれば」


なんかはじめっから険悪ムード。

あたしたちは砂浜を抜けて

林にはいった。

月の光が見えなくなって、

急に真っ暗になった。

あたしは、怖がる気持ちを

必死に抑えた。


「きゃっ!!」


いきなり草むらが揺れた。

あたしは驚いて悲鳴をあげる。


「ただの風だろ、ビビってんのかよ」
「ビビってなんかない!」



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