素直になれない
・・・いいにおい。

そおいえば、最近は

全然眠れなかったんだっけ。

なんだか、すごく

気持ちがいい・・・・。

ゆらゆらと揺られて、

ときどき風が吹いて・・・。

手があったかい。

安心できる。

ずっと、このままま――――


「ん、・・・・」
「起きたか?」


低い声に目が覚めた。

ゆっくりと目を開けると


「・・・戸川悠士?!」


あいつがあたしの寝てるそばにいた。

手を握ってくれている。


「うなされてたから・・・」


そう言って、あいつは

手をひっこめた。

なんでか、そのとき

さみしいと思ってしまった。
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