先輩、大好きっ!



夏休みは毎日練習、練習で…あっという間に終わってしまいました。


「………最後の日ぐらい…どこか行きたかったなぁ…」


「マネージャー!」


「はーいっ!」


「これ、二学期の練習日程。顧問に出しといて。」


「はいっ!!」


新キャプテンは渋谷孝太先輩。副キャプテンが武先輩。私としては武先輩がキャプテンが良かったんだけど…哲哉先輩指名だから仕方ないよね。


「渋谷先輩…あの、この日は休みなんですか?」


9月14日…


「うん。日曜日だけど…たまには休みにしないと。皆、彼女と遊べないだろ?」


「………そうですか、」


9月14日…………私の16歳の誕生日。部活休みなんだ。武先輩に祝って欲しかった…なんて、無理だよね。


「何かあったの?」


「いえっ!何もないです。」


「おれと遊ぶ?」


「いっ…いえ、そんな…」


「おれ、前から世奈ちゃんと遊びたいなーって思ってたんだ。でも、哲哉先輩いたからさ、」


「先輩…お世辞ありがとうございます。…わっ、私、先生に紙渡してきますっ!」


「あっ………逃げられた。」


「孝太ーっ!!何やってんだ?」


「武………お前ってさ、世奈ちゃん好きなの?」


「………」


「いい事教えたる。世奈ちゃん狙ってる部員、結構いるって。お前…気をつけないと世奈ちゃん取られるぞ。」


「…………ばかじゃね?おれは野球しに部活きてんだよ。」


「………素直じゃね…」



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