君想い
出会い
桜舞う春が来た。
今日から新しい生活が始まる。
『りか!!』
うん゛
『りーか?』
チッ
『いい加減にしなさーい!』
あぁもう!
耳元でうるさい。
「何よ朝っぱらから。」
起き上がるとお母さんが立っていた。
『今日は何の日かしら?』
え?
はて?春の日差しが…
暖かいいい天気。
もしかして……?
あぁぁぁぁ!!!!!
「入学式ー!!」
ニッ
『間に合わうかしら。』
ハァ。
そんなお母さんの一言が聞こえる訳もなく、
急いで準備する。
私、
石崎李歌
(いしざきりか)
今日から高校生に
なります。
辛かった受験も終わって、
念願の女子高生に!
なのに…
寝坊なんてぇぇぇ!
てっ!
こんなことしてられないんだった。
パパッと髪を直し、
やっと様になった
化粧をして、
仕上げは軽く香水で。
はぁ。
なんとか完成。
『りかー?ご飯食べちゃいなさい!』
よし!
トントントントンッ
「お母さん、もう間に合わないから行くね!」
あぁご飯…
『そう?じゃ気をつけてね。』
ニッコリ笑顔なお母さんを後ろにして、
「行ってきます!」
走り出した。