君想い

ガラッ

賑やかな教室のドア
が開いた。

皆の視線が一瞬、
集まる。

ドアの向こうに立っていたのは、

眠そうな男の子。

怠そうに髪をいじりながら、歩いて来る。


顔をよく見ると、

うわぁ…
かっこいい!!

てかすごく〃〃!


多分そう思ったのは
私だけじゃない。

だって…さっきまで賑やかだった教室が静かになってるもん。

隣にいる香那も。


そう思っていると、
隣りから声がした。

『邪魔なんだけど。』
え?と驚いた顔をする香那。

いつの間にかこっちに来ていたらしい。

すぐ横にいた。

『だから…そこ俺の席だろ。』

ハァ。と溜め息をつきながら、

指を差す。

香那が座っている席だ。

気付いた香那は、
『あ!ごめんなさい〃』

と顔を赤くしてすぐに退ける。

「いや、別にいいけど。」

と呟きながら、
周りの空気なんて、
気にせずに座る。


て事はこの人が?

やっと気付いた私。

周りも何事もなく座る彼を見て納得したらしい。

静かだった教室が、また賑やかになる。

香那が小声で、
『李歌ラッキー。』

と言いながら笑っている。

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