君想い
この人が隣りなの?
香那に目で訴える。
ニャッ
満面の笑顔で頷く。
『絶対ゲットよ!』
香那はいつもそう。
自分は彼氏がいるからってさ…
「何でそうなるの。」
思わず呟く。
『だって、李歌チャンスだよ!せっかく隣なんだから。』
そうだけどさ…と
言い返そうとしていたら、
"キーンコーンカーンコーン"
タイミングよく
チャイムがなった。
それと同時にドアが開き、
担任が入って来る。
『はい席つけ。』
男かぁ。
まいいや…
『じゃ李歌また休み時間ね!』
香那が笑顔で自分の席に戻って行く
と言ってもすぐ斜め後ろだけどね。
なんか気まずいな。
肝心のこの人は隣りで寝てるし…
寝坊してきたくせにまだ寝るのかよ!
と思わず心の中で、
突っ込んだ。
後ろを振り返って、
香那を見ると笑顔で
"起こしてあげたら゛
と言っている。
『それでは、全員いるか確認な。』
担任が出席をとり始める。
……………
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『香取!』
この人の番だ。
『起きろ!全く…
石崎起こしてやってくれ。』
え?あたし?
仕方なく声を掛けてみる。
「か、香取くん?」