残酷ハニー
僕は結局父さんに着いて行った。
何だか嫌な予感がしたんだ。
急に、あの時のあの少女の顔が浮かんだんだ。
…あの少女は元気だろうか?
っていうかそもそも…
「何だありゃあ?」
気が付くと、もう船がある場所に来ていた。
父さんがそう言ったのには僕も同感だ。
なんだか沢山の人が、父さんの船の周りに集まっていた。
僕等は頷き合ってから、船に向かって一目散に走った。
走って船の近くにいくと、数人の人が泣いていた。
その輪の中で一番泣いている、母さんと同じくらいの年に見えるその人の腕の中には、
小さな息のない人間が一人。
髪も服も肌も消えそうなくらい白い少女が一人。